
目次
1 今日のパワーメンターと著書

今日は、オザビエル(私)が、
京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者
稲盛 和夫(いなもり かずお)さんの著書
『 働き方 』から学んだ
試練を克服し、運命を好転させてくれる
「パワーフレーズ」をお届けします。
2 生活の糧を得ることが大切な理由の一つ

何のために働くのか━━。
その理由を「生活の糧を得るため」と考えている人がたくさんいます。
食うがために必要な報酬を得ることこそが労働の価値であり、
働くことの第一義であるというわけです。
もちろん、「生活の糧を得る」ことが、
働くということの大切な理由の一つであることは間違いありません。
ただ、私たちが一生懸命に働くのは、そのためだけではないはずです。
人間は、自らの心を高めるために働く━━私はそう考えています。
「心を高める」ということは、
お坊さんが厳しい修行に長年努めてもできないほど、
たいへん難しいことなのですが、
働くことには、それを成し遂げるための大きな力があるのです。
働くことの意義が、ここにあります。
日々一生懸命に働くことには、私たちの心を鍛え、人間性を高めてくれる
素晴らしい作用があるのです。
3 ある宮大工の棟梁の話

以前に、ある宮大工の棟梁の話を、テレビのインタビュー番組で聞いて、
感動したことがあります。
「木には命が宿っている。その命が語りかけてくる声に、耳を傾けながら仕事をしなければならない」
「樹齢千年の木を使うからには、千年の月日に耐えるような立派な仕事をしなければならない」━━
棟梁は、そのようにおっしゃっていました。
このような心に染み入るような言葉は、生涯を通じて、
仕事と真正面から向き合い、努力を重ねてきた方でなければ、
とても口にできるものではありません。
「大工の仕事を究める」ということは、ただ単に鉋をかけて、
「素晴らしい建物」を造り上げる技術を磨くということだけでなく、
心を磨き、「素晴らしい建物」を造り上げることにもある━━
私は、棟梁のお話から、このことを実感し、深い感銘を受けました。
その棟梁は、小学校を出てから70有余年に至るまで、
ずっと宮大工として、生涯を務めてこられた方のようでした。
その長い年月の間、一つの仕事をやり通すには、
つらいことやしんどいこと、もう辞めたくなるような苦労も、
あったことでしょう。
その苦労を克服しつつ、一生懸命に仕事に励むことで、
素晴らしい人格を育み、豊かで深みのある言葉を自分のものにされたのだと思うのです。
私は、この宮大工の棟梁のように、一生を一つの職業に捧げ、
地道な労働を営々と重ねてきた人物に強く魅了されます。
4 人生において価値あるものをつかみ取るため

ひたすら働き続けることを通じて、心を練り上げてきた人間だけが持つ、
人格の重みや揺るぎない存在感━━そういうものに接するたびに、
私は、働くという行為の尊さに改めて思いを馳せるのです。
そして同時に、将来を担うべき、現代を生きる若い人たちにも、
仕事で努力することを厭わず、仕事で苦労することから逃げず、
ただ素直な心で、一生懸命仕事に打ち込んでほしいと思うのです。
ときに、「いったい何のために働くのか」という自問が湧いてくるかもしれません。
そういうときには、ただ一つのことを想い出していただきたい。
働くことは人間を鍛え、心を磨き、「人生において価値あるもの」をつかみ取るための、尊くて、もっとも重要な行為であることを━━。
5 オザビエルの願い

今日の学びは、
- 何のために働くのか━━。
- 「生活の糧を得る」ことが、働くということの大切な理由の一つである。
- 働くことは人間を鍛え、心を磨き、「人生において価値あるもの」をつかみ取るための、尊くて、もっとも重要な行為である。
私たちは、「お金のため」、「やりがい・生きがいを感じるため」、
「自分の成長のため」に働いています。
家族ができると、「家族のため」も加わります。
人間は、自らの心を高めるために働く。
そういう気概で、自分を鍛え、心を磨いていきましょう。
出典 『 働き方 』 稲盛 和夫(いなもり かずお) 発行所 三笠書房 画像はヤフー検索から