
目次
1 今日のパワーメンターと著書

今日は、オザビエル(私)が、
ポーランド出身、
株式会社グーグルで人材開発を担当した、人材育成、組織開発の専門家
ピョートル・フェリクス・グジバチさんの著書
『人生が変わるメンタルタフネス』から学んだ
最高のパフォーマンスを生み出す
「パワーフレーズ」をお届けします。
2 自分が思う以上に、気づかないストレスを抱えている

職場での人間関係や仕事のプレッシャー、取引先とのトラブルなど、
ストレスというのは、ネガティブな状況下でのみ感じると思いがちです。
しかし実際には、結婚や引っ越し、成功や出世、昇級など、
一見、ポジティブ環境の変化であっても、
それがストレッサー(ストレスの原因)となることをご存知でしょうか。
4の表をみてください。配偶者の死や離婚、病気やケガなど
ネガティブな出来事がストレッサーの上位にあります。
しかし、同様にポジティブなストレッサーも散見されます。
つまり、ポジティブ、ネガティブという状況にかかわらず、
人は「日常ではない状態」に置かれると、
多かれ少なかれ、ストレスを感じると言えます。
ということは、誰でもどんなにネガティブな要因を取り払っても、
常に何らかのストレスを感じるものだと割り切ったほうがよさそうです。
もちろん、ストレスの感じ方は人によってそれぞれですし、
同じストレッサーを受けてもそれを強く感じるか、
そうでもないと感じるか、耐性はさまざまです。
僕の場合は、多少ストレスがかかった状態のほうが
仕事への意欲が湧いてくることもあります(笑)。
ストレスは、ないに越したことはありませんが、
なくなることはない以上、
どうつき合うかを考えたほうがいいのです。
3 ストレスを放置するとやる気が奪われていく

たとえ小さなストレス、ポジティブなストレスであったとしても、
それがいくつも重なり、無自覚のままでいると、
体や心にさまざまなストレス反応をもたらします。
これは、ストレッサーが脳の扁桃体を刺激して自律神経が興奮し、
心拍数が増えたり、血圧が高くなるためです。
体への影響としては、持病が悪化したり、胃炎や胃潰瘍、糖尿病、
うつ病などを引き起こすとされています。
また自律神経が興奮している状態ですので、
イライラしたり、必要以上に不安を感じたり、
気分が落ち込んだり、あるいはやる気がなくなるなど、
メンタル面にもさまざまな影響が出ます。
仕事のパフォーマンス上、過度なストレスは大敵と言えるわけです。
ストレスの解消には、スポーツや休暇などが有効とされていますが、
マインドフルネスもまたストレス解消法の1つとして注目されています。
スポーツや休暇と、マインドフルネスの大きな違いは、
前者がストレスの原因から離れることがストレス解消になるのに対し、
後者はストレスの原因と向き合うことにあります。
「今、自分が感じているストレスの原因は何か?」
「どんなときにストレスを感じるのか」など、
自らを観察してその原因を突き止めます。
次の4の表を参照しながら、この1年間で起きた出来事をチェックしてみてください。
今ストレスを感じている人は、その原因がより明確になりますし、
感じていない人にとっては、無自覚に抱えているストレスを癒やす機会になります。
そのうえで、マインドフルネスを手順に沿って実践してみましょう。
その際、何度もお伝えしているように、
過去のつらい出来事や将来への不安に目を向けるのではなく、
「今この瞬間を意識する」ことがポイントです。
現実をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情にはとらわれないことです。
4 あなたのストレス度をチェックしませんか?

ストレッサー(ストレスの原因) | 点数 | |
1 | 配偶者の死 | 83 |
2 | 会社の倒産 | 74 |
3 | 親族の死 | 73 |
4 | 離婚 | 72 |
5 | 夫婦の別居 | 67 |
6 | 会社を変わる | 64 |
7 | 自分の病気やけが | 62 |
8 | 多忙による心身の過労 | 62 |
9 | 300万円以上の借金 | 61 |
10 | 仕事上のミス | 61 |
ストレッサー(ストレスの原因) | 点数 | |
11 | 転職 | 61 |
12 | 単身赴任 | 60 |
13 | 左遷 | 60 |
14 | 家族の健康や行動の大きな変化 | 59 |
15 | 会社の建て直し | 59 |
16 | 友人の死 | 59 |
17 | 会社が吸収合併される | 59 |
18 | 収入の減少 | 58 |
19 | 人事異動 | 58 |
20 | 労働条件の大きな変化 | 55 |
ストレッサー (ストレスの原因) | 点数 | |
21 | 配置転換 | 54 |
22 | 同僚との人間関係 | 53 |
23 | 法律的トラブル | 52 |
24 | 300万円以下の借金 | 51 |
25 | 上司とのトラブル | 51 |
26 | 抜てきに伴う配置転換 | 51 |
27 | 息子や娘が家を離れる | 50 |
28 | 結婚 | 50 |
29 | 性的問題・障害 | 49 |
30 | 夫婦げんか | 48 |
ストレッサー (ストレスの原因) | 点数 | |
31 | 新しい家族が増える | 47 |
32 | 睡眠習慣の大きな変化 | 47 |
33 | 同僚とのトラブル | 47 |
34 | 引っ越し | 47 |
35 | 住宅ローン | 47 |
36 | 子どもの受験勉強 | 46 |
37 | 妊娠 | 44 |
38 | 顧客との人間関係 | 44 |
39 | 仕事のペースが減少 | 44 |
40 | 定年退職 |
44 |
260~299点 過剰ストレスが疑われる
300点以上 過剰ストレス状態・要対応
注※ストレス度チェック表の65項目を40項目に省略しています。
(夏目誠・大阪樟蔭女子大学名誉教授提供)
5 人から感謝される働き方をする

ストレス表でひとつ気になる項目があります。
それは、「個人的成功」(57番目 38点)です。
この「個人的」というところがポイントです。
先ほどのグーグルで、
世界ナンバー1の営業パーソンとなった女性もそうでしたが、
自己中心的な働き方や「自分のためだけ」に動くと、成功を勝ち得ても、
そのこと自体が大きなストレスになるということです。
逆に、人のために働き、人から感動されるような働き方は、ストレスを受けない働き方と言えます。
これは、僕もそうです。
自分のためだけに仕事をしていると、
何かトラブルや、解決が難しい問題に突き当たってしまったとき、
仕事に向き合う気持ちが萎えてしまって、
ここ一番の踏ん張りがきかなくなります。
でも、多くの人が喜んでくれると思える仕事は、
苦に思わずにできるものです。
これは「周りを巻き込む」ということでもあります。
「どうしたら喜んでくれるか」を考えることは、
一人で、目の前の仕事をこなすことよりも、
数倍のアイデアも力も湧いてくるのです。
6 「助けて」と言えますか?

「誰かのために」という意識を持っている人は、
当然ながらチームでも柔軟な働きを見せてくれます。
たとえば、上司の立場で部下に仕事を任せるとき、
「これやっておいてよ」と丸投げするような上司だと、
部下のモチベーションや仕事のパフォーマンスは上がりません。
僕の場合、次のような言い方をします。
僕「困ったことがあるんだけど、ちょっと相談に乗ってくれない?」
部下「ピョートルさん、どうしたんですか?」
僕「このプロジェクトで、ちょっとミスがあったみたいなんです。
それを明日までに解決する必要があるんですよ」
部下「それは大変ですね、私も何かお手伝いしますよ!」
大事なことは、「助けてほしい」という自分の弱みを素直に見せてしまうことです。
自分が何を望み、何に悩んでいるのかをさらけ出す、自己開示することです。
すると部下は、困っている僕を見過ごせないという気持ちで、
「いいですよ! やってあげますよ」
と気持ちよく手伝ってくれるものです。
上司という立場だからと高圧的に接している人は、
このように周りの人を巻き込むことは難しいでしょう。
気丈な人は、精神的に強い人だと想像しますが、
それは素直に自分の弱さを見せられない人であり、
メンタルが弱い証拠です。
「助けて」と素直に言える人、「助けてあげるよ」と親切に応じてくれる人こそが、柔軟なメンタルの持ち主なのです。
7 オザビエルの願い

今日の学びは、
- どんなにネガティブな要因を取り払っても、常に何らかのストレスを感じるもの。
- ストレスは、なくなることはない以上、どうつき合うかを考えたほうがいい。
- 人のために働き、人から感動されるような働き方は、ストレスを受けない働き方と言える。
- 困ったとき、「助けてほしい」とを素直に言う。
多くの人が喜んでくれる仕事をして、ストレスの少ない生き方ができたら最高ですね。
出典 『人生が変わるメンタルタフネス』 ピョートル・フェリクス・グジバチ 発行所 株式会社廣済堂出版 画像はヤフー検索から