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奈良時代の土地と税の制度をわかりやすく解説します。
目次
１ 人々の身分と負担
奈良時代前半の日本の人口は、450万人ほどだった。
６年ごとに作られる戸籍（こせき）に、良民と賤民という身分に分けられた。
６歳以上の人々には、性別や身分に応じて口分田（くぶんでん）があたえられた。（ 男子には２段＝約2300㎡、女子にはその３分の２）その人が死ぬと国に返すことになっていた。＝ 班田収授法（はんでんしゅうじゅのほう）
人々の負担（税）
- 租（そ）は、稲（収穫量の約３％）
- 調（ちょう）は、絹、糸、真綿、布または特産物
- 庸（よう）は、布（労役10日のかわり）
- 雑徭（ぞうよう）は、地方での労役（年間60日まで）
- 兵役（へいえき）は、都１年か、防人（さきもり）３年＝ 日本を守るために九州北部に送られた
こうした重い負担から逃れるため、逃亡する人々も現れた。
200人ほどにすぎない貴族たちは、庸・調や兵役などが免除され、高い給料や多くの土地があたえられた。
２ 土地の私有と荘園
朝廷は、不足する口分田を補うとともに、租の収入を増やそうと、人々に開墾（かいこん）をすすめた。
723年 三世一身法を出し、新しく開墾した土地は、租を納めていれば、３代にわたって私有が認められた。
しかし、開墾があまり進まなかったため、
743年 墾田永年私財法（こんでんえいねんしざいのほう）を出し、租を納めることと引きかえにいつまでも私有地としてよいことにした。
貴族や大寺院、郡司などは、現地の農民を使って開墾を行ったり、農民が開墾した土地を買い取ったりして、盛んに私有地を広げた。
貴族や寺院のこのような私有地は、やがて荘園（しょうえん）と呼ばれるようになった。
公地・公民の原則は、こうしてくずれ始めた。
さあ、基礎・基本の用語をしっかり覚えましょう。
◎ 基礎・基本の用語
〇 口分田（くぶんでん）
〇 租（そ） ＝ 稲 → 国府（こくふ）で集められた
〇 調（ちょう）庸（よう） ＝ 軽い布など → 都（みやこ）へ運ばれた
〇 防人（さきもり）
〇 墾田永年私財法（こんでんえいねんしざいのほう） 〇 荘園（しょうえん）
👉防人（さきもり）は、さかもりと書かない !
☆ ふり返り
◇ ①～⑥に当てはまる言葉を答えなさい。１ 人々の身分と負担
６歳以上の人々には、性別や身分に応じて（①）があたえられた。（ 男子には２段＝約2300㎡、女子にはその３分の２）その人が死ぬと国に返すことになっていた。＝ 班田収授法（はんでんしゅうじゅのほう）
人々の負担（税）
〇（②）稲（収穫量の約３％）
〇（③） 絹、糸、真綿、布または特産物
〇庸（よう） 布（労役10日のかわり）
〇 兵役（へいえき） 都１年か、（④）３年＝日本を守るために九州北部に送られた
２ 土地の私有と荘園
743年 （⑤）を出し、租を納めることと引きかえにいつまでも私有地としてよいことにした。
貴族や寺院のこのような私有地は、やがて（⑥）と呼ばれるようになった。
💮 答え
① 口分田（くぶんでん）② 租（そ）
③ 調（ちょう）
④ 防人（さきもり）
⑤ 墾田永年私財法（こんでんえいねんしざいのほう）
⑥ 荘園（しょうえん）
税は、昔も今も重いぜ（い）。これで基礎学力バッチリです。
