

今日は、オザビエル(私)が、
「20世紀最高の心理学者」と評される
「ハーバード大学行動心理学の権威」
B・F・スキナー博士の著書
『初めて老人になるあなたへ ハーバード流知的老い方入門』から
実践していきたい 「幸齢者mind」をお届けします。
目次
1 楽しい老後のために

終幕がどんなにうまく書き直されたとしても、
誰もがみんな、老人役を威風堂々と華やかに、
演じられるわけではないでしょう。
ほどほどの役柄で良しとすべきなのかもしれません。
優れた役柄の脚本では、面倒なことから解放されて適度な自由を楽しみ、
あれこれ好きなことをするチャンスに恵まれ、
やりたくないのにしなければならないということも減ってきます。
それでもまだ残っている厄介事は、
ユーモアのセンスでなんとかなる場面もありそうです。
こういう脚本にするには、
若いうちに準備をしておけば、うまくいくことが多いです。
老いは、不安で恐ろしいものではなく、
取り組むべき課題としてとらえ、
老後を楽しみにしていたのなら、
もっと積極的に準備できたのではないでしょうか。
2 見事な演技に喝采を

偏屈でケチで堅物というのが、
標準的な老人役を演じるのにわかりやすい人物像ですが、
そうした特徴がどんな状況で生じるのかは前章で述べたとおりです。
そんな説明をしたのは、
そうした性格的特徴による老人に対する非難をかわすためではなく、
もっと立派な役柄の老人を演じられるように状況を変えることができるかどうかを検討するためでした。
さて、今度は、あなたの番です。
良い脚本ができたのですから、
穏やかで知恵があり、自由で威厳に満ち、ユーモアのセンスのある、
そんな人生を送っている人物を演じてみてください。
あなたの演技は、脚本のおかげなのだからと、
あなたに向けられた賞賛まで、脚本が横取りしてしまっては困りますね。
どちらも良しとすることでいかがでしょうか。
責任があなた自身ではなく、
あなたが暮らしている世の中にあるのだとすれば、
賞賛は果たしてどこに向けられるべきなのか……
まるでブルータスに語るシーザーのような気持ちです。
でも心配しなくても大丈夫です。
観客はいつだって、悪役に野次を飛ばし、英雄に声援を送ります。
あなたがどんなに恵まれた環境で演じていたにせよ、
それを差し引いても、あなたの演技は賞賛されるでしょう。
賞賛によって、社会は見事な演技を奨励しているのです。
たとえ、その役が誰がやっても、
必ず美しく演じられるような良い役柄になっているとしても、
社会は賞賛を送り続けることでしょう。
そしてあなたが、穏やかに威厳を保ちつつ楽しく人生を送ることができるような社会を自分の力で作り上げることができたなら、
それこそ2倍の賞賛を得られます━━
見事な演技に対して、
それから、人生の素晴らしい最終幕の脚本を作ったことに対しても、
賞賛されることでしょう。
3 今日の金言 B・F・スキナー博士
「人生2度目の幼児期はただの忘却、歯もなく、味もなく」、
そしてついには、「何もなく」なってしまう……
シェイクスピアの『お気に召すまま』

老後をできる限り健康で、楽しく過ごしていきたい。
そのために、あらゆることを積極的に準備し、
穏やかで知恵があり、自由で威厳に満ち、ユーモアのセンスのある、
そんな人生の最終幕を送りたい。
何事も、少しずつ、少しずつ、行っていきます。